身近なとりNo.21~25

21.メジロ(メジロ科) 2006.12.16掲載

メジロ

メジロは、冬季の寒冷地を除き、低地から山地まで全国に広く分布します。

 全長は12cm前後で、スズメよりも小さめ。日本で見られる野鳥では、ミソサザイに次いで最も小さい部類に人る小鳥です。緑色の背と羽を持ち、雌雄同色。目の周りの白い輪が特徴で名前の由来ともなっています。雑食ですが、花の蜜を大変好むため、花期に合わせて行動し、春には好物の花の蜜を求めて南から北へと移動するものもいます。特に早春は梅の花に群れ、庭や垣根の周りで「チー、チー」という地鳴きで鳴き交わす様子がよく観察されます。秋から冬は群れで行動することが多く、シジュウカラやエナガなどのカラ類と混群をつくって飛び回ることもあります。子育ての時期がくるとつがいで分散し、2羽で鳴き交わしながら、花から花へと飛び回る様子が市内の各所で観察されます。「目白押し」も可愛らしいしぐさから来ている言葉で、鳥好きの多くの人たちが「庭に呼びたい鳥」の一つにこのメジロをあげます。庭の片隅に、フィルムケースなどで作った器にジュースなど入れて、小枝につるすのもメジロを愛でる一つの方法です。

(写真:鳥の博物館友の会会員 吉田 隆行さん)


22.ヒヨドリ(ヒヨドリ科) 2007.1.16掲載

ヒヨドリ

 ヒヨドリは、数が多くどこでも見られる身近な鳥です。

 「ヒーヨ、ヒーヨ」というあの騒がしい鳴き声が、この鳥の和名の由来だと言われています。本来、夏は山で暮らし冬になると人里におりてくる漂鳥でした。ところが、30年位前から一年中人里で暮らすようになり、今ではすっかり都市に適応した都市鳥になりました。 餌えさは昆虫や果実、花の蜜みつなどの雑食性で、ガなどの昆虫はフライングキャッチでとらえる野性味あふれる姿を見せますが、一方では花粉を口の周りにつけながら花の蜜をなめる可かわい愛らしい一面も見せてくれます。

 冬は餌台に来ては他の小鳥たちをけちらし傍若無人、わがままな振る舞いを見せ、餌台愛好家の方方からは嫌われ者となっていますが、木の実を食べては、フンとして種子をばらまき、植物にとっては大切な種子散布の役割を果たしています。

 見方を変えればとってもユニークな鳥です。観察すると面白い鳥間違いなしですよ。

 

(写真:鳥の博物館友の会会員 中野 久夫さん)

23.ミコアイサ(カモ科) 2007.2.16掲載

ミコアイサ

 ミコアイサは、11月から3月頃まで全国の湖沼で冬を過ごす渡り鳥(冬鳥)です。手賀沼でも数は多くありませんが、毎年観察されます。

 オスは全体が白く、目の周りや頭の後ろ、背中や肩の線が黒く、よく目立つため「パンダガモ」と呼ばれ、バードウォッチャーに親しまれている鳥の一つです。

 メスは全体が灰色で、頭から首の後方は茶色がかり、首の前方は白い色をしています。

 雌雄ともに嘴は細長く、先端はカギ状に曲がっていて、小魚やエビを捕まえて食べるのに適しています。

 ミコアイサは水中に潜ってエサを探す「潜水カモ」で30秒近く水中に潜ることができます。このようなカモは、水中を泳ぐために足が体の後ろの方についています。そのため、地上では体が直立してしまうので、あまり歩くのは得意ではありません。

 また、助走をつけて水面から飛び立つこともミコアイサのような潜水カモの特徴です。

(写真:鳥の博物館友の会会員 西巻 実さん)

24.ミサゴ (タカ科) 2007.3.16掲載

ミサゴ

 ミサゴは、世界中に広く分布する魚を主食とするタカの仲間です。水面上空をゆっくりと帆翔(ソアリング)し、獲物を見つけると停空飛翔(ホバリング)でねらいを定め、急降下しながら脚を突き出して魚を捕らえます。十字型に開く4本の足指と鋭い爪、足裏のスパイク状の突起、これらは魚食専門のミサゴの特徴です。

 捕らえた魚を縦位置にかかえて飛び去る姿は、まるで砲弾を装着した戦闘機。また、下面が白く細長い翼からはカモメの仲間を連想させます。

 手賀沼では、秋から冬にかけてよく見られます。広い水面を望遠鏡で丹念に観察すると、きっと突き出た杭くいの上で魚を食べるミサゴの姿を見つけることができるはず。

 ミサゴの名前は「水さぐる」に由来すると言われ、水辺にくらすこの鳥の習性を表しています。

 ところで、山海の珍味として「猿酒」に並び称される「みさご鮨」をご存知でしょうか。ミサゴが岩の隙すきま間に蓄えた魚が発酵し「なれ鮨」になったという伝説があり、真偽はともあれ興味深い話です。

(写真:鳥の博物館友の会会員 岡本 信夫さん)

25.シジュウカラ(シジュウカラ科) 2007.4.16掲載

シジュウカラ

 春先、梢からツピー・ツピー・ツピーとさえずっている白黒の鳥を見たことがあると思います。このスズメ大の鳥がシジュウカラです。シジュウカラは、ほぼ全国で生活する留鳥です。平地から山地にかけていろいろな林や町中の小さな樹林地や樹木の多くある公園や住宅地で見ることができます。昆虫やクモ、植物の種子などを好み、忙しなく動き回る梯子は見ていてあきません。雄は喉から胸元にかけて黒い帯(ネクタイとよく呼ばれる)が太く、雌では細いので雌雄の区別が簡単にできます。樹洞や石垣の隙間などにコケなどで椀型の巣をつくり繁殖は一夫一妻。よく巣箱も利用するので庭に架けるのも良いでしょう。

名前の由来は、益鳥として雀の40羽の価値があることから漢字で「四十雀」。

また、鳴き声からだとか諸説いろいろありますが定かではありません。散歩の途中、ツピー・ツピーが聞こえたら立ち止まってその姿を探してみるのも楽しい一時です。 

(写真:鳥の博物館友の会会員 鳥越 治さん)