身近なとりNo.71~75

71.オナガ(カラス科) 2011.5.16掲載

オナガ

 身近に見られる青い鳥で、その名の通り尾が長く姿の美しい鳥です。群れ生活を中心としていて、見かける時はいつも群れでいます。美しい姿とはうってかわって、「ギューイ ギューイ」とさわがしい声で鳴き、雑食性で、昆虫や果実、鳥の卵やヒナも食べます。

 繁殖期には、群れの中で番(つがい)が形成され、ルーズなコロニーを形成します。我孫子市内では、公園で繁殖が確認され、その巣の近くには小型のタカである「ツミ」も巣を作って繁殖していました。オナガは、ツミの強さを利用して近くで巣を作るようです。

(写真:鳥の博物館友の会会員 安野 昌彦さん)

72.ツミ(ワシタカ科) 2011.6.16掲載

ツミ

 新緑の季節、「キィーキィッキッキッキッキッキッキッキッキッ」と下げ調子の声が聞こえたら、近くでツミが繁殖しているはず。ツミは、日本最小のタカで、メスはキジバトくらい、オスはこれより一回り小型です。

 山地から平地の樹林で繁殖しますが、近年市街地でも繁殖するようになりました。ヒトを楯に、天敵から巣を守ろうというのでしょう。

 しかし、我孫子周辺でも、ツミの巣がハシブトガラスの集団に襲われた例や、フクロウに捕らえられた例が知られています。街に引っ越したツミですが、天敵との知恵比べに終わりはありません。

(写真:鳥の博物館友の会会員 津村 勝吉さん)


73.サシバ(タカ科) 2011.7.16掲載

サシバ

 草いきれのする水田で、子育てを終えたサシバがピックィ0・ピックィ0と鳴きながら旋回している姿が見られます。姿が見えなくとも鳴き声でサシバであると気がつくタカです。春に南西諸島や東南アジアからやってきて、水田のある斜面林で子育てをします。水田では、主にカエルやトカゲ、昆虫などを狩りして暮らしています。梅雨が明ける頃、そろそろ水田での餌取もできなくなります。木のてっぺんに陣取ったサシバの姿が一時的に育った若鳥共々消えてしまいます。これはもう少し餌の捕れる山辺に移動するためです。8月のお盆過ぎ、再びピックィーの声が聞こえるようになります。しばらくすると秋の渡りの帰途につきます。

(写真:鳥の博物館友の会会員 川上 貢さん)

74.コサギ(サギ科) 2011.8.16掲載

コサギ

 真夏の緑一面の水田で一際目立つ白くほっそりとしたシルエットの鳥がいます。いわゆる白鷺と呼ばれるサギ科の鳥たちです。その中でも一番体が小さく、黒い長い足に、まるで黄色い靴下を履いたような足指をしているのがコサギです。

 夏の水田でコサギの餌とりを見かけたら、その首の動きに注目しましょう。コサギは水辺で小魚やカエルなどを捕まえるため、長い嘴と首をしています。鳥の頸椎(首の骨)はつなぎ目がうまくかみ合う構造で、首をよく動かすことができ、さらにサギの仲間は一つの頸椎が長く、より素早く動かすことができます。

(写真:鳥の博物館友の会会員 岡本 信夫さん)

75.ムナグロ(チドリ科) 2011.9.16掲載

ムナグロ

 我孫子には春秋の渡りの時期に渡来する旅鳥です。沖縄や小笠原諸島では越冬している個体もいます。渡り

の時は群れで行動し、春には水をはった水田、秋には稲刈り後の田んぼなどに群れでいる姿を見かけます。名前のとおり夏羽は顔から胸、腹まで黒くなります。渡りの時期に見かける時には、夏羽と冬羽の両方を見ることができます。チドリの仲間で、すばやく歩くのが特徴で地上の昆虫やゴカイ類を食べています。繁殖地はツンドラで、植生のまばらなところに営巣しています。冬は東南アジア、太平洋諸島、ニュージーランドなどで越冬しています。

(写真:鳥の博物館友の会会員 中野 久夫さん)