身近なとりNo.81~85

81.ツバメ(ツバメ科) 2012.3.16掲載

ツバメ

 3月も中旬の声を聞くと、我孫子の空にツバメが帰って来ます。ツバメは温帯や亜寒帯で子育てし、冬は熱帯に渡って暮らす渡り鳥です。大きさ約17cmの小鳥、頭から尾まで光沢のある青光りする黒色、額(ひたい)と喉(のど)は赤く、白い胸と腹との境には黒い帯、長い尾羽が特徴です。4月から7月頃に1回から2回ほど子育てをします。たくさんの虫を空中で捕ることから昔から益鳥として親しまれている鳥です。

 最近は巣作りできる建物が少なくなり、巣の数も減少傾向と言われます。巣立ち独立した若鳥が電線に並んだりした光景を良く目にします。

 秋になり、そろそろ飛去する時期が近づくと水田や川沿いの耕地やヨシ原に集まり集団でねぐらをとったりします。今年もまた我孫子の空を大きく宙返りする姿が見られるはずです。出会ったらちょっと一息、立ち止まって見て下さい。ツバメの可愛い仕草に心和みます。 

(写真:鳥の博物館友の会会員 岡本信夫さん)

82.キョウジョシギ(シギ科) 2012.4.16掲載

キョウジョシギ

 キョウジョシギは春と秋の渡りの途中、羽を休めるために日本に飛来する旅鳥です。大きさはムクドリほどで、名前の由来に羽色が「京女」のように美しいという説があるように、黒・白・栗色の羽とオレンジ色の足が鮮やかで目立ちます。シギと聞くと細長いくちばしで干潟の泥の中の餌を探すイメージが強いですが、キョウジョシギは丈夫な短いくちばしで小石を引っくり返して隠れている餌を探します。

 我孫子では主に春の水田でその姿が見られます。水田は餌場として干潟の代わりになり、他のシギの仲間も集まるので観察してみましょう。 

(写真:鳥の博物館友の会会員 安野昌彦さん)

83.ホオジロ(ホオジロ科) 2012.5.16掲載

ホオジロ

 春になるとこずえやヨシのてっぺんなどで、胸をはった姿勢でさえずります。さえずりはチョッピーチチ・ピッツーチリリなどと鳴き、「一筆啓上つかまつり候」などと例えられたりします。

 ホオジロは日本では屋久島以北の全土に留鳥として生息しています。低地や低山帯のヤブや樹林の林縁などでよく見られます。一夫一妻で繁殖し、地上やヤブの小枝の叉にメスが椀型の巣を作り、抱卵もメスのみが行ないます。オスは警戒にあたりさかんにさえずります。今の時期、市内の岡発戸都部の谷津田でもホオジロのさえずりをきくことができます。

(写真:鳥の博物館友の会会員 安野昌彦さん)

84.コイカル(アトリ科) 2012.6.16掲載

コイカル

 近頃手賀沼遊歩道で話題の小鳥です。中国東部の樹林地で繁殖し、南部で越冬する渡り鳥です。日本には、冬鳥あるいは旅鳥として少数飛来します。この鳥が手賀沼の遊歩道に現れたものですから、バードウォッチャーの間で話題になりました。

 手賀沼周辺ではじめて確認されたのは1999年2月、同年5月手賀沼公園のポプラの樹上で巣立ちビナが観察されましたが、2004年8月以降我孫子での繁殖記録はありません。

それでも毎年冬から初夏にかけて、手賀沼遊歩道沿いの樹上に姿を見せ、さえずることもあります。

(写真:鳥の博物館友の会会員 中根忠さん)

85.アオバズク(フクロウ科) 2012.7.16掲載

アオバズク

 アオバズクは、全長27~30.5㎝位でキジバトよりやや小さい焦げ茶色で腹に粗い縦斑がある小さな鳥です。フィリピン、インドなど東南アジアから渡ってきて、北海道から九州で子育てをする夏鳥です。我孫子に青葉が茂る初夏、クスノキやケヤキなどの大木の樹洞などで子育てをします。夕方や明け方を中心に活動し、昆虫を捕らえて食べます。街路灯の下にガやカブトムシなどの羽など食べ残したフィールドサインが朝の散歩で見つかります。鳴き声は、ホーホーと鳴きます。鳴き声から「ホーホーどり」と呼ばれ、市内で活躍する我孫子野鳥を守る会のシンボルとして親しまれる鳥です。遠くからホーホー聞こえたら愛嬌のある顔を思い出してみてください。

(写真:鳥の博物館友の会会員 川上貢さん)