身近なとりNo.91~95
91.カシラダカ(ホオジロ科) 2013.1.16掲載
カシラダカは、ユーラシア大陸の高緯度地方で繁殖し、冬になると日本へ渡来し、田んぼやヤブなどで見られる鳥です。ヤブの中からチッ、チッ、チッ、チッと声が聞こえてきたら、カシラダカかホオジロです。カシラダカは、群れて過ごしている事が多いのと、名前のとおり、頭に短い冠羽があり、腹は白色、脇に赤褐色の縦斑があることで、ホオジロとは見分けられます。危険を感じると群れ全体で飛び立ちます。冬の田んぼを歩いていると、出会える鳥です。主にイネ科、カヤツリグサ科などの種子を食べています。
(写真:鳥の博物館友の会会員 中西泰三さん)
92.キクイタダキ(キクイタダキ科) 2013.2.16掲載
我孫子では冬鳥の「菊戴(きくいただき)」。日本最小の小鳥です。名前は頭頂部の黄色い冠羽に由来しますが、この羽毛は野外ではそれほど目立ちません。手賀沼周辺で毎年越冬していますが、見かけることの少ない鳥です。
しかしこの冬はちがいます。北方や山地が餌不足なのか、キクイタダキが数多く見られる当たり年なのです。せっかくのチャンスです。マツやスギなど針葉樹の近くを通る時には、耳を澄ましてみましょう。ツイツイ、チチチチとか細い声が聞こえてきたら、迷わず見上げてください。メジロよりも小さな鳥が忙しそうに動き回っていたら、まちがいありません。黄色い冠羽が見えた方は、ラッキーです。
(写真:鳥の博物館友の会会員 安野昌彦さん)
93.コクマルガラス(カラス科) 2013.3.16掲載
夕焼け小焼け、夕暮れ時にカラスの群の中から、いつも聞き慣れているカラスの鳴き声「カァーカァー」や「ガァーガァー」とちょっと聞き慣れない「キャーキャー」とか「カシャカシャ」と云う声を聞いたことがないだろうか?このカラスはコクマルガラスです。ミヤマガラスの群れに混じって渡って来るほんの少しキジバトより大きなカラスです。くちばしは小さめ。多くは若鳥(暗色型)です。その中に白と黒の親鳥(淡色型)が少し混じります。以前は、冬に九州や近畿地方まで行かないと見る事が出来ませんでしたが、最近は東日本でも多く見ることが出来ます。我孫子市でも2007年の10月と11月に観察されましたが、ここ数年冬鳥としてミヤマガラスの群れに混じって見られます。散歩でカラスがお宿に帰るとき、ちょっと耳をそばだててみませんか?4種類のカラスが冬の我孫子で見られます。
(写真:鳥の博物館学芸員 時田賢一)
94.ダイサギ(サギ科) 2013.4.16掲載
ダイサギは一般に白鷺(しらさぎ)と呼ばれるものの中で一番大きい鳥で、我孫子では一年を通して見られます。長い足で水辺を歩きながら、大きなピンセットのような長い嘴で器用に餌を捕まえます。餌は魚やカエルなどの水生生物で、時には写真のような大きな魚も捕まえます。手賀沼では岸辺だけでなく、水深が深い場所の網や杭にとまって餌を捜す姿も見られます。
水田もサギたちが餌をとる様子がよく見られる場所です。特に早春の水田は、稲苗の背丈もまだ低く、餌が採りやすい季節で、渡り鳥のシギやチドリの仲間も飛来して賑やかになります。ぜひ春の水田で鳥たちの食事風景を観察してみてはいかかでしょう。
(写真:鳥の博物館友の会会員 浅野利幸さん)
95.ビンズイ(セキレイ科) 2013.5.16掲載
我孫子では秋~春に斜面林や緑地でときどき見られます。頭から尾までの上面は緑褐色で、黒い縦班があります。ハクセキレイと同じセキレイの仲間で、他のセキレイ類と同様に尾を上下に振り、地上では両足を交互にして歩行します。主な食べ物は昆虫で、ガやチョウの幼虫、ハエ、甲虫、草の種子を食べています。くまなく地上をさがしまわったり、枝にそって歩いて餌をさがしています。ある調査では胃の中にたくさんのゾウムシが入っていたそうです。山地へ移動して繁殖しますが、春の暖かな日には我孫子でもピリリリリピィピィピィピィプチップチィなどと長く続けてさえずりが聞けることがあります。
(写真:鳥の博物館友の会会員 岡本信夫さん)